2012年度事業方針
2011年3月11日に世界を震撼させた大災害、ことに福島第一原発の過酷事故は、原発と放射能の恐ろしさを国民の心胆に焼き付け、それに頼らない暮らしへの真剣な国民的模索が始まっています。また同年9月、紀伊半島を襲った大水害は、化石燃料の使用に起因する気候変動への対策が待ったなしの課題であることを改めて示しました。
夥しい人的犠牲と将来長く続く被曝への恐怖、国土や地域社会の喪失という巨大な損失と不幸を代償にしてではあれ、私たちが一貫して主張してきた自然エネルギーへの転換と低炭素社会への移行が、今ほど切実にまたリアルに受け止めらるときはありません。
しかし一方、県センターの指定を受けられる全県レベルの環境NPOをと、県内の心ある環境団体が共同で「わかやま環境ネットワーク」を設立してすでに8年が経過し、当初共有した意気込みや連帯感、高揚感が薄らぎつつあります。
組織の維持だけでも大変な状況にあることは確かですが、日々の多忙さに追われて県センターであることに慣れ安住し、この歴史的な瞬間を傍観することがないよう、わかやま環境ネットワークは2012年度、以下の方向で強力に活動を展開します。
- 国、県から委託される事業は引き続き誠実に遂行します。その際、地域における市民レベルの地球温暖化対策推進を使命とする県センターの事業と、県内の環境市民団体や企業を繋ぐネットワークとしての独自の役割を有機的に結びつけることを重視して事業を企画編成し、会員団体や推進員ほか、本ネットワークに関わる多くの人たちに大胆に依拠してこれらの事業を展開します。
- 国内で稼働する原発がゼロとなり、さらに永続的な脱原発が国民的合意となりつつある現在の歴史的局面に鑑み、日本版FIT導入の追い風も活かしつつ、原発に代わる自然エネルギーの普及を当面最大の課題として取り組みます。そのため、公募事業に積極的に手を挙げるとともに、自然エネルギー普及におけるステークホルダーとなる団体等への接触を深め、関係を強化することに務めます。
- 県内全域に地域協議会が設立されるよう働きかけるとともに、協議会や地域の推進員が当該地域における地球温暖化対策やエネルギーシフトにおいて中心プレイヤーの一員となるよう、関係機関に働きかけるなどの援助を行います。特に、和歌山市の協議会や推進員が本来の力を発揮するよう働きかけます。また、生物多様性分野などで活動する団体が活動を発展させられるよう、可能な支援を行います。
- 県民各層に対する働きかけでは、脱原発ムーブメントの高まりや自然エネルギーへの関心の高まりを活かし、地域協議会や会員団体にも依拠しながら広く学習会や討議の場を設け、事業者を含む県民各層とエネルギーシフトとの接点を広く提供すること、さらにそうした活動のうねりが会員である地域協議会や環境団体の新たな力となるよう、積極的な活動を展開します。
- 以上の基本方向を執行するにふさわしい機能的な理事会を選出開催します。また、各地域協議会代表が集中して意見を交換する会合や、団体会員が相互に理解と交流を深める経験発表会など、ネットワーク組織内の結びつきを強化する機会を設け、またそうした機会をひとつひとつ成功させるための事務局からの呼びかけや訪問を画期的に増やし、組織を拡大強化します。
① 市民がすすめる木質バイオマス利用事業~「地域活動支援・連携促進事業」
【環境省補助事業】
- 紀南地域協議会をはじめ、森林組合、建築家・工務店等とコンソーシアムを構成し、需要側から木質バイオマスの利活用促進の事業を行う。具体的には、薪の潜在需要発掘、実需者の組織化(共同購入組織)、薪ストーブ・ボイラー普及、薪の流通支援等を行う。同時に、供給側へ生産計画の助言や情報提供を行うとともに、「薪づくり交流イベント」等の企画・実行の支援を行う。
② 家庭エコ診断事業
【環境省→全国ネット→県センターへの委託事業】
- 認定された診断員が、環境省所有の「家庭エコ診断ソフト」を活用して家庭起源のCO2を削減する方法等をアドバイスする「うちエコ診断」実施事業(受診者募集、診断日程調整、日当等の支払い等)。
③ エコチャレンジ事業
【和歌山県委託事業】
- 「エコチャレンジ」(環境家計簿カレンダーを使ったエコ活動)キャンペーン
- エコチャレ研修会への講師派遣及びエコチャレ実践家庭の訪問取材
④ 草の根運動推進事業
【和歌山県委託事業】
- 地域協議会活動への支援、推進員養成講座及び推進員スキルアップ講座を各1回
- 県温暖化対策情報誌「わおん通信」編集(年4回発行)
⑤ 対外活動及びその他の活動
- 全国的連携事業~地球温暖化防止全国ネット、温暖化防止ネットワーク関西などに結集
- 環境ネットワーク事業
- 会報「うぃねっと」(年4回)の発行及びホームページの刷新。
⑥ 理事会活動、組織の維持及び拡大に係る諸活動
- 理事会を二ヶ月に1回程度開催し、名実ともに理事会を中心に会を運営する。
- 会員及び会員団体の活動を交流する「交流会」を適宜開催する。
- 「認定NPO法人」への挑戦、会員の拡大
役職 | 新/再 | 氏名 | 所属団体 |
---|---|---|---|
代表理事 | 再 | 重栖 隆 | NPO和歌山有機認証協会 |
副代表理事 | 再 | 玉井 済夫 | (公財)天神崎の自然を大切にする会 |
副代表理事 | 再 | 石橋 幸四郎 | 和歌山県中小企業家同友会(㈱石橋) |
理事 | 新 | 樫村 健 | 個人会員 |
理事 | 新 | 岸本 憲一 | 紀の川市地球温暖化対策協議会 |
理事 | 再 | 金原 徹雄 | 個人会員 |
理事 | 再 | 佐藤 俊 | はしもと里山保全アクションチーム、伊都橋本地域温暖化対策協議会 |
理事 | 新 | 多田 祐之 | 紀南地域地球温暖化対策協議会、NPO花つぼみ |
理事 | 新 | 道本 みどり | 個人会員(NPO法人市民の力わかやま) |
理事 | 新 | 花田 惠子 | 個人会員 |
理事 | 再 | 前岡 正男 | 個人会員 |
理事 | 新 | 松下 靖彦 | 個人会員 |
理事 | 再 | 宗 眞紀子 | 和歌山市婦人団体連絡協議会 |
理事・事務局長 | 再 | 目 祐二郎 | 個人会員 |
監事 | 再 | 堀 貞宏 | 紀州村 |
監事 | 再 | 竹家 弘美 | 和歌山市婦人団体連絡協議会 |